「バイブコーディング」— やりたいことを自然言語で伝え、AI アシスタントにコードの記述と配線を任せる手法 — は Snap Spectacles のレンズ制作にも使えます。AR 開発者の Andrew Douglas 氏は、Vibe Coding For Spectacles TutorialLens StudioCursorVS Code の GitHub Copilot と組み合わせるワークフローを実演しています。本記事では、その背後にあるツールチェーンと、ハッカソン向けのセットアップ方法を整理します。

レイヤーは 2 つあります。AI 支援によるスクリプティング(アシスタントが Lens Scripting API に対して TypeScript を書く)と、AI 支援によるシーン制御(アシスタントが MCP サーバー経由で Lens Studio 自体を操作する)です。後者こそが、このワークフローを単なる入力補完ではなくバイブコーディングらしいものにしています。

レイヤー 1:外部エディターでの TypeScript スクリプティング

Lens Studio 5.0 以降、スクリプトは TypeScript または JavaScript で記述できます。内蔵エディターは TypeScript の自動補完に対応していないため、Snap は外部エディターの利用を推奨しています。Asset Browser でスクリプトを右クリックし、Open in External Editor を選びます。

AI 支援の精度を左右する要点は、Lens Studio がプロジェクトの Support フォルダーに TypeScript 定義ファイル(.d.ts を書き出すことです。保存済みのプロジェクトフォルダーを VS Code や Cursor など .d.ts を読み取るエディターで開けば、開発者と AI アシスタントの両方が実際の Lens Scripting API を型補完として得られ、存在しない API の捏造を大幅に抑えられます。

任意の Lens Studio VS Code 拡張機能を入れると、コードスニペット(ls_ を入力するとインプット宣言、イベント、UI ウィジェット、コンポーネントアクセス、数値ヘルパーが呼び出せます)、IntelliSense、ブレークポイントデバッグが加わります。

レイヤー 2:Developer Mode と MCP サーバー

Developer Mode with VS Code は、Lens Studio 内で MCP(Model Context Protocol)サーバーを起動します。AI アシスタントを接続すると、テキストを提案するだけでなく、プロジェクトに対して直接操作を行えます。サーバーが公開するツールは次のとおりです。

  • シーン構造の照会(GetLensStudioSceneGraph
  • シーンオブジェクトの生成・変更(CreateLensStudioSceneObject
  • プロジェクトのコンポーネントとアセットの管理
  • インタラクティブ要素のためのスクリプト生成・統合
  • アセットライブラリからのアセット検索・インストール
  • プロジェクトの問題のデバッグ

MCP に対応しているため、VS Code Copilot、Cursor、Claude Code で利用できます。

セットアップ

  1. アセットライブラリから Chat Tool Package をインストールします(Lens Studio 5.x が必要)。
  2. Lens Studio で AI Assistant → MCP → Configure Server → Start Server を実行します。
  3. プロジェクトルートに .vscode/mcp.json を作成し、Lens Studio のポップアップに表示される設定を貼り付けます。
  4. エディター側で Start をクリックして接続を有効化し、MCP パネルで確認します。
  5. エディターのチャットからプロンプトを送ります。オブジェクトの追加、スクリプトの記述、アセットのインストールを依頼すると、開いている Lens Studio プロジェクトに対して実行されます。

挙動をより安定させるには、.github/chatmodes/lens-studio.md を追加し、Lens Studio の作法やプロジェクトのワークフローを記したカスタムシステムプロンプトを与えます。

注意点

  • モデルに文脈を与えること。 プロジェクトフォルダーを開いて .d.ts の型を読み込ませ、Lens Scripting API リファレンスを参照できるようにし、チャットモードを使います。文脈がないと、存在しない Lens Studio API を捏造します。
  • MCP サーバーが操作するのはエディター側の Lens Studio インスタンスであり、グラス本体ではありません。 Spectacles のペアリングを行い、Send to Spectacles やエディター内プレビューで実機テストする必要があります。
  • Lens Studio 5.x と MCP 対応エディターが必要です。 この連携はエディターのネイティブ MCP サポートに依存します。

関連リンク

コミュニティスポットライト — Andrew Douglas 氏。Cursor と Copilot のワークフローは同氏のチュートリアルによるもので、MCP とスクリプティングの詳細は Snap の公式ドキュメントに基づいています。 ご質問はお問い合わせページからどうぞ。

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